21世紀も今年で10年になる。
9・11テロや二つの戦争、未曾有の不況をへて、
すっかりすがたを変えた世界でわたしたちは何をするべきだろうか。
養老孟司が見た現代の若者とは
正月休み、私は実家でごろごろしながら
NHK-BS新年特番、宮崎駿KANTOKUと養老孟司SENSEIの対談を見ていた。
養老先生はここ数年、北里大学で授業をもっていたらしい。
養老先生曰く「今の学生は、授業をサボらない。」
自分が学生の頃、興味のない授業はサボり
友人と喫茶店にいくことが当たり前だったという。
一方、今の学生はとりあえず授業には出るという。
「授業とは出なくてはならないもの」という観念が
今の学生には強いという。
しかし、席にはつくが、ずっと寝ている生徒もいる。
最初から最後までつっぷしている学生がおり
養老先生は「くも膜下出血かwww」と疑ったこともあるらしい。
とにかく、規範をやぶることにパワーをついやす若者が
減ったということではないか。
岡本健一が驚くジャニーズの変化とは
さらにごろごろしていた私は、初冬に録画していた
NHKBSのジャニーズ番組「少年倶楽部プレミアム」を再生した。
ベテランタレントを呼び、国分太一が人畜無害なインタビューを行うコーナーで
元男闘呼組の 岡本健一がゲストで呼ばれていた。
「岡本さんが若かったころとくらべて、今のジャニーズが変わった点ってなんだと思います?」
と国分が聞くと、岡本は髪をかき上げながら言った。
「不良っていうか・・・はみだしものがいなくなったよね。嵐とかTOKIOとか本当に仲がいいでしょう。」
岡本が所属していた「男闘呼組」には、成田くんという本物の不良がいた。
先日大麻所持でつかまったが、20年前から吸引していたという。
古典的なアイドルだった前田耕陽、役者志望のおかけん、げじげじまゆ毛の高橋和也、
そしてロッカーをめざす成田くん・・ばらばらの4人は楽屋でも殺伐としていたにちがいない。
ジャニーズ事務所に所属しながらも、そんな自分を否定してきた成田くん。
自作の曲をかきならし、アイドル雑誌のインタビューにも道化的な発言をしていた。
「オレは、名古屋から太平洋を泳いでいるうちに事務所に入ったんだよ。」
大学に所属しながら、授業を放棄していた学生運動の熱気のようなものが
成田くんの心の中には残っていたのかもしれない。
しかし、嵐はどうだろう。公私ともども仲のよさをアピール。
「翔君からメールがきて・・」「ニノとダーツにいったら」
ジャニーさんに声をかけられ「嵐」という謎なグループ名でデビューするも
5人は事務所に反発することもなく、仲良く粛々と仕事をすすめてきた。
昔はタブーだったはずのジャニーさん話も、
おおっぴらにするメンバーがふえた。
上司とうまくやる新人OLちゃんたち
自分のまわりを見渡してもどうだろう。
私が新人OLだったころ、上司は目の上のたんこぶであった。
企画を没にされるたびに「ぜったい私の案のほうがおもしろいのに!」
とこぶしをふるわせ、同期同士でわめいていたものである。
しかし、今の新人OLちゃんはちがう。
上司とモメないことを最重要項目とし、円満に仕事をこなしていく。
とんがって自分をアピールすることもなく、みんなをたてる。
「嵐」のような物腰やわらかなソフィスティケイティッドされた若者が
日本に増殖しているのだ。
トタンナーズ・ハイが改革への第一歩
櫻井くんも松潤も大好きだ。
はっきりいって、私は嵐のファンクラブに入っている。
(東京ドームコンサートはチケット抽選に落選してしまったが。)
しかし、もう少し若者に男闘呼組の要素をとりこんでもらうことが
日本社会の発展に急務ではないか。
すべてが洗練されていく日本人。その美しさには目を見張るものがある。
しかし、足のかかとの角質をとりすぎると余計に悪化することがあるように
いつか新型インフルエンザが流行してしまうような危機がおとずれるはずである。
そこで必要なのがトタンナーズ・ハイだ。
トタンナーズ・ハイとは、さびたトタンにペンキを塗りなおす際に
脳内に発行されるドーパミンによる高揚感のことをさす。
http://totan.sarashi.com/ruro3.html
コンクリートとガラスでできたおぴゃれな建物ももちろんよい。
しかし、べこべこになったトタン屋根に、べとべとをペンキをぬるほっこり感。
油断と愛情と、ムダな反発心とメンテナンス力、今アジアで先陣を切って
新しい価値観を提案すべき日本に必要なのは、大きなトタンの物語ではないか。